定年前の生命保険見直しポイント
50代60代は、保険の見直しを考える最適なタイミングです。なぜなら、お子様が自立したり、家のリフォームを行ったり、定年後の生活に向けて準備をしはじめたりと、ライフサイクルが変わってくる変化の時期だからです。
ただし、見直しと言っても、それぞれの世帯の状況、例えば、家族の年齢、持ち家の有無、収入額や貯蓄額、健康状態などによって、どう見直したら良いかが異なります。
そこで、今回は、保険の見直しでお悩みの50代60代の方に向けて2つのポイントをお伝えしていきます。
ポイント① 子どもが自立したら死亡保障を減らす
死亡保障の最も大きな役割は「残された家族の生活を経済的に守ること」です。
お子様が独立するまでの間は、大きな死亡保障が必要です。なぜなら、一家の大黒柱に万一があった場合に、お子様の学費や生活費をカバーしなければならないからです。
しかし、お子様の自立後には、そういった大きな死亡保障の必要性は乏しくなります。
ところが、お子様が自立しているにもかかわらず、高額な死亡保障のまま加入し続けているケースは珍しくありません。必要のない高い保険料を払い続けてしまっているのであれば、一刻も早く見直しをしていただきたいと思います。
最低限必要なのは、この世を去った時の整理費用でしょう。整理費用を生命保険の保険金で賄うのであれば、300万円前後が目安になります。
ポイント② 医療保険は「更新タイプ」「定期タイプ」より「終身タイプ」
医療保険は、保険料が上がらない一生涯の保障が続く終身タイプがおすすめです。
年齢を重ねるごとに病気をする確率が高くなる
厚生労働省の「平成26年患者調査」によると、50代後半で入院している人の総数は約5.9万人です。
これは40代前半の3.2万人と比べると2倍近い数字です。
また、平成28年の日本人の平均寿命は「男性80.98歳・女性87.14歳」で過去最高となっており、長生きのリスクで健康を害して入院する確率も高くなってきます。
ところが、更新型の保険や共済保険の保険はほとんどが80歳・85歳・90歳で保障が終了します。これでは、入院する確率が高い年齢になった時に保障が持てないという弱点があります。
しかも、更新型の保険料は更新ごとに高くなっていきます。
なぜなら、年齢を重ねるごとに入院をする確率が高くなり、その分、保険会社も給付金を支払う確率が高くなるからです。
保険料は、年齢・性別ごとにどのくらいの人が入院するのか?給付金を支払うまでにどのくらい運用できるか、などを計算して決まります。
保険は年齢が上がれば上がるほど、保険料も高くなっていきます。ですから、更新型の医療保険では50代以降の保険料は相当高くなるのが現状です。60代で年金生活者となれば、現役時代より収入が増える方はほとんどいないでしょう。
こういったことから、更新型の保険は、保険料の支払いはとても厳しいものになります。
更新タイプと終身タイプの保険料比較
ここで、同じA生命保険会社の医療保険で、更新タイプと終身タイプの実際の保険料を比較してみました。
【例】55歳男性、入院日額5,000円
更新タイプ(10年更新)月払保険料2,144円 ⇒ 65歳で3,494円、75歳で6,324円
終身タイプ(更新なし)月払保険料3,404円 ⇒ 更新無し、一生涯保険料3,404円
契約時は、更新タイプよりも終身タイプの方が保険料は高くなっています。しかし、10年後20年後までの保険料負担を考えると、終身タイプの方が保険料は安くて済みます。なので、1歳でも若いうちに一生涯保障の終身タイプの医療保険をお持ちいただくのがおすすめです。
ただし、「医療保険は必要ない」というのも一つの考え方です。なぜなら、日本では現状、高額療養費制度等、充実した社会保障制度が備わっているからです。
50代60代の方に知っておいてほしい保険の見直しポイントは以下の2つです。
- 子供が自立したら死亡保障を減らす
- 医療保険は「更新タイプ」より「終身タイプ」
家庭の状況にもよりますが、お子様が自立した後は大きな死亡保険は不要となり、死亡保障に支払っていた保険料を老後準備の資金等に回すのが一般的だと思います。
ただし、保険の見直し方法は、加入中保険の内容やご予算、家族構成や健康状態などによって異なり、これが絶対に正解!というものはありません。今回お伝えしたポイントはあくまで参考としてご覧ください。
保険の見直しはご自身が納得してからが大前提です。当店にご来店いただければじっくりとお話をおうかがいさせていただきます。